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県内各地の農村舞台で、阿波人形浄瑠璃公演が活発になってきた。戦後、映画やテレビの普及で廃れていた徳島固有の文化が、生き生きと復活するのはいいことだ。文化の均質化が進む中、人々がリアルな手応えを求め始めた証しだろう
その一つ、那賀町の拝宮(はいぎゅう)農村舞台公演を見に行った。2004年、半世紀ぶりに復活して以来7回目の公演である。山深い白人神社の境内に建つ舞台は、木々の緑と谷川のせせらぎの音に囲まれて情緒満点。それとは対照的に、現代的な味つけの舞台が観客を楽しませた
タイを釣り上げる恵比寿(えびす)さんを愉快に描いた地元保存会による「えびす舞」、男2人が珍道中を繰り広げる青年座の新作浄瑠璃「道行三番叟・あわ娘に御用心」。いずれもコミカルな演出で観客の笑いを誘う
幻想的だったのは、人形と現代舞踊、邦楽が共演した「百花譜」。三好市出身の文楽人形遣い・吉田勘緑さん率いる木偶舎と、多田英治さん・遠藤綾子さんによるスリリングな琴の演奏、檜千尋さんの現代舞踊が一つに溶け合い、斬新な舞台を生んでいた
県外から見学に訪れた学生5人が舞台に上がり、合いの手を入れるなど、ライブ感も十分。演出を担当した勘緑さんの言葉が耳に残る。「テレビやパソコンよりずっとこっちが面白い」
阿波の農村舞台は、まだまだ進化しそうな勢いだ。
(2009/6/5 徳島新聞 鳴潮 より)
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